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高森明勅
2017.4.13 21:00

有識者会議まだまだ迷走

看板が気の毒な有識者会議。

このところ、専らご譲位の議論しかしていない。

しかもメインとなる論点は、
既に国会の合意が成り立っている。

だから、隙間の議論に特化。

それも、伝統的な「太上天皇」を止めて略称の
「上皇」
をそのまま正式な称号にするとか。

天皇陛下が昨年の8月8日の「おことば」ではっきり
殯(もがり)などの簡素化を望まれ、
しかも皇室典範は天皇だけが「大喪の礼」
行うという原則なのに、(皇族に戻られた)
上皇も大喪の礼を行うとか。

目を覆いたくなる迷走ぶり。

最終報告書のレベルが今から想像できる。

どうかメディアには、たかが一私的諮問機関に
過ぎない有識者会議の不出来なレポートを

あたかも権威あるものであるかのように、
過大に扱わないで戴きたい。

国民が錯覚するので。

政府がその不出来なレポートに
引き摺られた法案を用意しようとし
た場合は、
その骨子が各党に提示された段階で、
しっかり国会の見識を示して戴きたい。

最悪、政府がそのまま法案化した時は、
国会の審議を通じて是正する必要がある。

国民もしっかりそれを監視し、
声を挙げるべき時には声を挙げようではないか。

繰り返し言っておく。

これからが正念場だ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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